いろいろな話25


退行催眠

精神治療の一つに、退行催眠がある。

つまり、現在精神面での障害となっている事柄を引き起こした原因を、

催眠術により、過去の経験の中から見つけ出し、再認識することによって、

現在の障害を取り除こうとするものだが。

ここでなぜ、催眠術がでるかというと、

そのような原因(いわゆる心的外傷「トラーマ」)は大抵、記憶の底に沈みこんでいて、

本人にも自覚が無いので、催眠術により思い出させる必要があるからだと…


「ほんまかいな?」


確かに、現在多くの精神科医の間で行われていて、

治療の手助けとなっていることは知ってはいるが…

(ここからは私の持論ですので聞き流してもらって結構)

最近、良く問題になる精神障害の一つにこのパターンがある。

悩んでいる本人にも、
「そんなことが恐くないことは十分分かっているんだけれども、我慢できない。」

といった恐怖感を抱きつづけてしまう人。

(たとえば、高所恐怖症、先端恐怖症、パニック症候群などなど。)

これらの人には、「なぜ?怖いの?」「大丈夫やから我慢して。」は禁物。

言われなくても、そのようなことは本人が一番良く知っている。

たとえば、高所恐怖症の人多くのは、橋が落ちるから恐くて橋を渡れないのではなく、

ただ、やみくもに怖いから高低差のある橋が渡れないのである。

だから、このような人にとっての(今のところ)有力な治療法は、

なぜ?恐くなってしまったのかの原因を突き止めて、


「恐くないはずなのに怖い」から「この理由があって怖い」へと再認識させることらしい。

(これは、とある精神科医の知り合いからも同様の意見を聞きました。)

したがって、あとはいかにその原因を突き止めるかだけです。

しかし、実はこれが一番大変なのは分かるでしょ?

だって本人も自覚の無いことなんだから。(ましてや他人になんて…)

しかし、ここで頭を180度変えてみてこう考えると。

つまり、本人に納得できやすい原因をこちらから提示できればどう?

つまり、「かなり幼い頃こんなことがありましたね。」

「その時あなたはどうでしたか?」

「そうですか恐かったですか、それが原因ですね。」

これこそが退行催眠のキモではないかと思います。

経験豊富な医師などには、患者のトラーマの原因になる出来事なんて容易に設定できます。

たとえば、私が高所恐怖症の人に対してするならば…


「今あなたは1歳少しの年齢です。」(ここまでは純粋に催眠術によりそう思わせることが出来る。)

「おや?誰かに抱かれていますね?誰かな?」
「母です。」

「おや?今度は誰かがあなたをお母さんから渡されましたね。」
「父ですね。」

「お父さんは背が高いですね、どうですか?」
「はい。」

「お父さんはどんなことをしていますか?」
「私を抱きかかえています。」

「あやしてもらっているんですか?」
「はい、高い高いをしています。」

「お母さんの高い高いに比べてどうですか?
「ちょっと乱暴です。」

「あなたはうれしいですか?それともこわいですか?」
「とても怖いです。」

「分かりました、あなたの高所恐怖症の原因はそこです!」


誰にでもある体験を、上手く誘導によってストーリーに合うように導き出し、

一番納得しやすい結論へともっていく。

しかも、すべてはあくまでも患者が自らしゃべっている。(と思わす。)

だんどりさえ踏めば誰にでもできそうな気がします。

更に、相手は医師、そして仰々しく行われる催眠治療。

その結果が自分の意思に沿うものであれば、患者は納得。失敗はありえません。

そして、患者は信じることにより精神面では良い方向へ向かいます。

結果としては治療成功!

(まあ、結果オーライなんですがね〜。)

(実際「偽薬効果」プラセボ効果ってのも有効な治療法の一つですもんね。)


しかし、この手のことをもろ手を上げて受け入れる人の多さに私は危惧します。

この方法論は、占いや宗教、はたまた投資といったものに応用され易いもので、

そんな人たちはアッサリと相手の思うままに操られるでしょう。

「この悩みを解決したい。」

「今のついてない状態から抜け出したい。」

「楽してお金儲けをしたい。」

などなど…

簡単にいかないはずのことが、簡単に解決できるはずが無い。

もし、できるという人がいるなら、

私はその人は信用しません。

 

次へ

戻る