いろいろな話255

 

べったん 

 

私たちの使っていた呼び名は「べったん」。

世間一般で通じる呼び名はメンコ?

でも、うちらではメンコは丸い形をしていて、遊ぶというよりは集めるものでした。

一方べったんは、四角い形でメンコよりも厚みのあるもので、

遊び方も様々なものがおりました。

一番ポピュラーなのは、各人が自分のべったんを地面に置いて、

変わりばんこに時分のふだを地面や相手のべったんに叩きつけるという遊びです。

このとき上手くひっくり返れば、それはすべてプレイヤーのものとなりました。

地面に叩きつけられるときの音が、

「ベッタ〜ン!」

というからべったんとよぶのだといわれていましたがどうかな?


さて、この時ですが…

相手に勝つためには二つの方法がありました。

一つはいかに相手のふだを上手くひっくり返すかという技を磨く方法。

地面すれすれまで手を近づける「空気返し」や、

目標のふだのすぐ真横に垂直に叩きつける「ぱっこん」

自分のふだの角をつまみ、立てたまま垂直に相手のふだに打ち付ける「コンマン」

などなど、様々な必殺技がありました。

上手な年長者はこれらを巧みに操り我々からべったんを奪ってゆきます!

ですが、これはやはり場数を踏むしかありません。


で、手っ取り早く勝ちたいものは今も昔も…

「手札の改造!」!(゜▽゜)b

ポピュラーなものでは、

べったんの周囲4つををコンクリートにこすりつけ、なんとなく分厚くする方法。

一旦水につけふやかせた後、陰干し

セロテープでぐるぐる巻き。

果ては、
アスファルト舗装の最中のローラー車に轢かすという荒業まで登場しました。

(以上、強くなるという根拠は全くなし!)

ですが、これらのほとんどは反則技として禁じ手になってゆきました。

唯一認められたのは、コンクリこすりくらいでしたが、これもやる過ぎるとアウトでした。


ですが面白いもので、よく勝てるふだというものは必ず存在して、

ここ一番の頼み綱になっていたのです。
(名前なんかも付けたりして♪)

で、そのことは仲間内ではみな知っているものだから、

「あいつのあれが何としても欲しいな…」

といつしかプレミアがついてしまうこととなるのでした。

実際そういうふだには、歴戦の勇士っぽい迫力が備わってきてくるから面白い!


一時、私たち兄弟はべったん勝負で集めに集め、

押入れに入れた大きな空き缶一杯まで貯めましたが、今では一枚も残っておりません。



最近、レトロブームもあって昔のべったんを売っているのを目にしますが、

それらのほとんどは、デッドストックのもので、

当然のことながら、改造はされておりません。

「懐かしいな〜♪」

とは思うものの、それらはなんとも薄っぺらく、頼りなさ気。

ですが、あるときぼろぼろに汚れたべったんを発見!

「おお!これは絶対水でふやかせた跡や!」

そう思うとやけに嬉しくなって、じっと見つめてしまいました。


【追記】

べったんのもう一つの主流の遊びで
「飛ばしん」というものもありました。

文字通り飛ばして飛距離を競うのですが、その方法は…

当時は未舗装から舗装への移行期だったので、

家の敷地の高さよりも、道路の敷地の高さが高い場合が多かったのです。

ですので、道路の側溝の端っこにベッタンを乗っけてスリッパを手にぶったたくのです。

これがめっぽう面白くて大流行に。

たいがい月に一度は、勢いあまって道路に指先をぶつけ爪を割ったりはがしたりするものがいました。

(=^^=)ゞ


でもあの時、おもいっきりぶったたいても道路の端まで届かなかったのに、

今見るとすごく狭い道幅!

あのときの全力ってそんなものだったのかな?

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