色々な怪獣


11 こいつは怪獣ではない! 

これ、なにに見えます?

大きさは片手に乗るくらいから、惑星くらいまでで常に変化(膨張)している。
重さは、常に空中に漂っているところを見ると窒素よりは軽く、水素よりは重いのでしょう。
行動は、常にエネルギー体を求めてさまよっているので、正の走エネルギー性をもつとでも言えるんでしょうか?

で、そもそもこれ何やねん!

答えは風船怪獣「バルンガ」です。

或る日宇宙から帰還するロケットが謎の言葉を残し墜落。
その言葉とは、
「燃料がゼロだ!ああ〜!風船だ〜!」
実はこのバルンガ、風船のように漂い、そばにあるエネルギー体のエネルギーを吸収し膨張します。
そして更なるエエルギーを求めて漂います。
ただそれだけの怪獣!
ん?怪獣?
口から火を吹いたり、町を破壊したり、人間をさらったり…
そんなことは一切しない!
ただ、ふくらみ漂うだけ!
これが?怪獣?!
もちろん、電力などのエネルギーを吸収しつづけるので、社会生活に与えるダメージは甚大です。
東京中のエネルギーを吸取ったバルンガは更に多くのエネルギーを求めて…
人々はじっと耐えるのみで、打つ手はありません!
しかし…
子供心に釈然としない何かがひっかっていました。

その後、少し成長し、「台風の仕組み」を学びました。
気温と湿度の差が雲の発生を生み、その雲が発達し雨雲となり、雨雲は更に成長し、そして…
「!
私の脳裏にあるイメージが浮かびました。
そう、バルンガです!
まるで意思を持つかの様に発達する雲、それが成長し嵐を巻き起こし、町を破壊してゆく!
そして、人間の力ではどうにも出来ない、ただ耐えるだけ!
正にバルンガ!
バルンガが怪獣ならば、台風も怪獣だ!
いや、台風が天災なんだから、バルンガも天災か?
その瞬間、長年のひっかかりがとれた気がしました。
「バルンガは怪獣ではない、天災だ…」

実は私はこれが分かるまでに数年を要したのですが、
大学時代にビデオを入手し改めてみてみると、ちゃんと劇中で博士が言っているんですよ!
「バルンガは自然現象だ!」
さらにこうも言っています。
「君は洪水に竹槍で向かうのかね?」
そう、既に劇中ですべて述べられていたのです!
人間の及ぶところではない大きな災いの存在、そしてそれへの対処はただ耐えるのみ!
最初に見たときの私は保育園児、きっとこの意味が分からなかったんでしょう。
しかし、大きくなって改めてみて、こうハッキリと言えます。
「バルンガ」は怪獣映画を飛び越えて、SFとして超一流の傑作である!」
未見の方は必見です!

で、結局、落ちを言ってしまうと…
(読みたくない人のために白文字で書きます。ドラッグしてください。)

より大きなエネルギーを求めたバルンガは太陽を目指し、
最後には太陽と同化します。
バルンガは死んでしまったのでしょうか?
しかし、ここで博士がこう言います。
「バルンガが太陽を食ったのか、太陽がバルンガを食ったのか…」
そして最後に石坂浩二のナレーションが入ります。

「明日の朝、晴れていたらまず空を見上げてください。そこに輝いているのは太陽ではなく、バルンガなのかもしれません。」

私は再放送で見ましたが、すぐさま表に飛び出し太陽を見ました。


おまけ

子供の頃、怪獣ごっこをしていて、こう言われたらお終いでした。
「おまえバルンガの役な!」
そう、そこにいるだけの役!<(T∇T)>




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