色々な怪獣


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「放送禁止用語」なるものがある。
あえて書かないが、いろいろある。
同様な理由で、放送、放映できなくなった番組、映画もある。
多くのものは、初回放送時と、その後の再放送の時とで社会状況が変化し、
劇中に「差別的表現」が用いられていることが原因である。
しかし、中には制作されたものの、一度も放送されることなく放送禁止になったものもある。
有名な「ウルトラセブン 第12話(遊星より愛を込めて)」などその代表的な例だ。
(このビデオをあの宮崎勤が所有していたことで一時期大騒ぎにもなりました。)

簡単にあらすじを述べると…

宇宙のはるかスペル星より、地球にスペル星人がやってくる。
彼等の目的は人間の血液。
というのも、彼等の星は自らの実験で放射能に汚染されており、
人類の新鮮な血液を奪う必要があったからだ…
そしてその方法として、地球人に化け吸血時計を配った。
地球人に化けたスペル星人を恋人と信じ、プレゼントの腕時計を喜ぶ女性(早苗)。
その後真実が明らかとなり、スペル星人はセブンに倒される。
一部始終を目の当たりにし、ショックを受ける早苗を気遣いアンヌは言う。
「すべて夢だったのよ…」
しかし早苗は、
「いえ、現実。いつかきっと分かり合えるときが来るわ…」
そう言って腕時計を湖に投げ捨てる。
セブンこと諸星ダンはその様子を見ながらつぶやく。
「そうだ、きっと分かりああえる、現に宇宙人の僕と君たちがこうしてともに戦っているではないか…」


どうですか?

いい話でしょう?

一体なぜこれが放送禁止なのか?
どこがまずいのか?

答えは意外なところにありました。

時は放送される1ヶ月前のこと。
小学館の学習雑誌の付録に付いていた「かいじゅうカード」
この中にこう言う説明文がありました。
ひばく星人 スペル星人」
たまたまこのことに気付いた子供の父親が、
「東京都原爆被害者団体協議会」の委員であったため問題はおきました。
 「ひばく者を怪獣扱いするとは何事だ!」と。
その後問題は拡大し、結果的には放送中止どころか、
円谷プロの判断で欠番扱い。
つまりなかったことになってしまったわけです。

しかし、問題は別のところにあります。

今回問題となった「ひばく星人」なる呼称は小学館側の付けたものであり、
劇中には一切でてきません。
またこの騒ぎの中、実際に試写をして作品の中身を検討するといったことは一切行われませんでした。
もし試写をしていれば、全く反対の内容だったということ。
つまり、当時大国間で行われていた、「核実験」に対する警告であったということが分かったはず。

しかし…

ただ、一枚の「かいじゅうカード」のたった一つの単語で、
この作品は葬られたのです。
まさに「臭いものにはフタ」!
多すぎはしないですかこの対応!?

本当に良く練られたストーリーと美しい音楽で、シリーズ中屈指の出来だったのに…
制作に携われた方々はさぞかし無念であったと思います。


本当に、人を傷つけるものは勿論ダメ!
しかし
言葉の上っ面だけを見て、真の意味を見ないのは暴力と同じであると私は思います。



「え?なぜそんな作品のことを知っているかって?」

この話は特撮、怪獣ファンにはある意味常識となっているため、
結構詳しい情報が簡単に入手できます。
私もこの作品は勿論見てはいませんが、
あるところで、その詳細を読みました。


更に詳しく知りたい方は先ず下記のサイトを御覧ください。
「712」



おまけ

私は以前、この話に感銘を受け「遊星FeCuより愛をこめて」というものを書きました。



おまけのおまけ

これがスペル星人です!


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